是正企業数は過去10年で最小に、監督指導による賃金不払残業の是正結果(令和2年度)

厚生労働省は22日、令和2年度の監督指導による賃金不払残業の是正結果を公表しました。この結果は、令和2年度(令和2年4月から令和3年3月まで)に、不払となっていた割増賃金が支払われたもののうち、支払額が1企業で合計100万円以上である事案を取りまとめたものです。

公表された結果によると、是正された企業数は1,062企業で前年度から549企業の減、コロナ禍の影響か過去10年で最小となっています。また、対象となった労働者数は6万5,395人、支払われた割増賃金の合計額は69億8,614万円でこれらについても過去10年で最小を記録しました。

なお、実際の賃金不払残業解消のための取組事例も掲載されていますが、「勤怠システムで退社の記録を行った後も労働を行っている者が監視カメラに記録されていた映像から確認された」という事例もあります。企業としては、管理職をはじめ従業員に対し法令順守を呼びかけるとともに、正確な労働時間を把握するべく実態調査を適切に行うことが求められます。

(参考:厚生労働省 報道発表資料)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_21200.html