【2024年4月から】労働条件明示事項の追加と合わせて確認しておきたいこと

こんにちは。小野社会保険労務士事務所の小野です。

こちらのブログで書くのは随分久しぶりで、振り返ってみたら半年ぶりぐらいみたいです。できれば今年はもう少しペースを上げて更新していきたいですね。

さて、あまり関係の無い話はこれぐらいにして、今回はタイトルにもある労働条件明示事項の改正について触れておきたいと思います。昨年の5月にも同じような内容のブログを書いているのですが、時期が近くなってきたということで、ここで再度アップしておきます。

個人的には全体としてあまり複雑では無いような印象がありますので、それほど対応には苦慮しないとは思いますが、2024年4月以降必要な対応となりますので、忘れないようにはしておいてください。

2024年からの労働条件明示の追加事項とは?

早速ですが、一体何が追加されるのか?という点ですが、具体的には下記の4点が2024年4月から既存の労働条件の明示事項に追加されます。

①就業場所・業務の変更の範囲

全ての労働契約の締結と有期労働契約の更新のタイミングごとに、雇い入れ直後の就業場所と業務内容に加え、その「変更の範囲」についても明示することが必要となります。なお、この「変更の範囲」とは、将来の配置転換などによって変わり得る就業場所と業務範囲を指します。

就業場所や業務に限定が無いケースも多いかと思いますが、その場合は、すべての就業場所・業務を含める必要があります。限定が無いケースの記載例としては、以下のようなものが考えられます。

●就業場所の記載例(就業場所に限定が無いケース)

パターン1(雇い入れ直後)大阪事業所(変更の範囲)会社の定める事業所
パターン2(雇い入れ直後)兵庫支店及び労働者の自宅(変更の範囲)大阪本社及び全ての支店、労働者の自宅

●業務の記載例(業務に限定がないケース)

(雇い入れ直後)人事業務(変更の範囲)会社内での全ての業務

②更新上限

有期労働契約の締結と更新のタイミングごとに、更新上限(有期労働契約の通算契約期間又は更新回数の上限)がある場合には、その内容の明示が必要となります。また、最初の労働契約の締結より後に更新上限を新たに設ける場合や更新上限を短縮する場合は、その理由を労働者にあらかじめ(更新上限を新たに設ける・更新上限を短縮する前に)説明することが必要となります。

なお、更新上限がない場合については、それを明示する必要まではありません。ただ、更新に上限があるか無いかを明確にしておくことは契約関係を明確化することに繋がりますので、記載を検討した方が良いとは考えられます。

●更新上限の記載例

パターン1更新上限 有(契約の更新は3回までとする。)
パターン2更新上限 有(通算契約期間は3年までとする。)

③無期転換申込機会

無期転換申込権が発生する更新のタイミングごとに、無期転換を申し込むことができる旨を明示する必要があります。なお、「更新のタイミングごと」についてですが、初めて無期転換申込権が発生する有期労働契約が満了した後も有期労働契約を引き続き更新する場合は、その更新のたびに無期転換申込機会と④の無期転換後の労働条件の明示が必要となりますので注意しましょう。

④無期転換後の労働条件

無期転換申込権が発生する更新のタイミングごとに、無期転換後の労働条件の明示が必要となります。(更新のタイミングごとの説明については③と同じ。)

基本的に必要な事項は漏れていませんか?

上記で2024年4月から労働条件の明示事項の「追加」に関して触れましたが、そもそも現在必要とされている明示事項について、抜けや漏れはないでしょうか?

労働基準法では、労働契約を締結する際に契約期間や就業場所、従事する業務、賃金等について、労働者に対して明示しなければならないとされています。そして、その内容については、全てではありませんが書面で労働者本人に交付しなければならないとしています。

労働条件明示…というと少し言葉が難しく感じますので、経営者の方からすれば、雇用契約書という言葉の方がイメージが湧きやすいかもしれません。

そんなこと言うけど、従業員の給料や労働時間、休日とか…その辺りを契約書に書いておけばクリアできてるでしょ?と思われる方もいるかもしれませんが、実は労働者に明示しなければならない事項は法律できっちりと決められていて、この事項は案外多く設けられています。

例えば、上記でも挙げた就業場所や業務内容については、現在でも書面で明示することが必要な事項となっています。

現在必要とされている明示事項をここで全て書き出すとブログがとても長くなりますのでここでは割愛しますが、労働条件の明示については、必要事項が抜けていたり、漏れていたりするケースが中小零細企業では比較的多く見受けられる印象があります。

4月に改正もありますので、これを機に自社の内容に問題が無いかどうか、特に中小零細企業の経営者の方は、今一度チェックしておきましょう。