タイミングはいつ?就業規則見直しのタイミング
こんにちは。小野社会保険労務士事務所の小野です。
最強クラスの寒波が押し寄せてきて、ここ数日は本当に凍えるような寒さです。油断すると風邪を引きそうなので、体調管理には十分ご注意ください。
さて、早速本題に入りますが、皆さまは会社の就業規則、いつ見直しをされましたか?「毎年見直しています。」、「法改正の都度見直してます。」、「数年前かな…。」と様々かと思いますが、今回は間もなく新年度を迎えるということもあって、就業規則の見直しのタイミングなどについて少し触れていこうと思います。
就業規則を見直すタイミングはいつか?
「就業規則は昔に作成したままだなぁ…。」そんなケースも多いかもしれませんが、就業規則は一度作成してしまえば将来ずっと使えるものではありません。
働き方改革や男性育休などは皆さまご存じかと思いますが、そういった法改正があった場合、その改正の内容に合わせた就業規則の見直しを行っていく必要があります。そうでなければ、そこに記載されている内容は、ずっと古い法律のままとなってしまいます。
また、会社の様々な制度や状況は、就業規則を作成した当時と全く同じというわけでは無いかと思います。昔は無かった休暇制度を取り入れたり、時代に沿って手当を見直したり、当時はいなかったアルバイトを雇ってみたり、そういった変化は必ずあるのではないでしょうか?そうした会社の環境の変化に合わせて就業規則を見直していく作業も必要になります。
いつ見直したかを確認する方法
定期的に見直しを行っている場合は問題ありませんが、「いつ見直したか分からないなぁ…。」というケースもあるかと思います。そんな場合には、就業規則の最後のページをご覧いただくと最後に見直した日付が確認できます。
一度お手元の就業規則を裏返して日付を確認してみてください。「この規則は平成〇〇年〇月〇日から改訂する。」といった記載があるかと思います。(書き方はいろいろありますが、似たような内容が記載されていると思います。)ここが会社が最後に就業規則を見直した日です。
先ほど少し触れた通り、働き方改革や男性育休など、法律の改正はど目まぐるしく行われます。絶対!とまでは言えませんが、最後に改訂した日からかなりの期間が空いている場合は、その期間が長ければ長いほど、今の法律に対応できていない可能性が高くなっていきます。
就業規則の見直しが必要な法改正
タイミングや見直し時期の確認方法について触れたところで、では実際に2022年にはどのような法改正があったのでしょうか?2022年の法改正で就業規則の見直しが必要と考えられる項目をピックアップして書き出してみると、次のようなものがあります。
①パワハラ防止法:2022年4月
「パワーハラスメント防止措置」が中小企業にも義務化されました。パワハラの行為者について、厳正に対処する旨の方針・対処の内容を就業規則等の文書に規定し、従業員に周知・啓発することなどが求められています。
②育児・介護休業法:2022年4月
育児・介護休業法が改正され、有期雇用の従業員が育児・介護休業を取得する際の要件緩和が行われました。また、社内で育児休業を取得しやすい環境の整備、妊娠や出産の申出をした従業員に対する休業制度などの周知と休業取得の意向確認を行うことが義務化されました。なお、育児・介護休業法の改正は段階を経て行われ、この年の10月にも改正が行われました。
③育児・介護休業法:2022年10月
子供が生まれた後8週間以内に4週間まで取得できる産後パパ育休(世間でいう男性育休をいいます。)が創設されました。また、原則分割できないとされていた育児休業が分割取得できるようになるなど、4月に引き続き改正が行われました。
さらに、これは2022年ではありませんが、2023年4月からは中小企業の残業に係る割増賃金率の引き上げ(1ヶ月60時間超は50%)がスタートしますので、これについても就業規則の見直しが必要な場合があります。
まとめ
最後に今回ご紹介した就業規則の見直しについて簡単にまとめておきます。
- 就業規則は法改正や会社の変化に合わせて見直しを行っていく
- いつ見直したか分からない場合は、就業規則の最終ページで確認する
- 2022年、2023年4月にも法改正ありで要確認
なお、就業規則については厚生労働省もひな型を公開していますので、自社で見直し作業ができる場合は、それらの資料を活用して見直し作業を行っていただければと思います。(私が言うのも変な話ですが、それだと費用がかかりません。)ただ、就業規則で使用されている言葉は普段は使わないような言葉が多く、慣れていないと作業が難しいのは事実です。もし「やっぱり専門家にやってもらった方がいいな…」ということであれば、どうぞお気軽にご相談ください。